こんにちは。「ハロー☆中学受験」ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
都内の中学受験塾で塾講師をしたのち現在は3児の母をしている、モキチクワと申します。
このブログでは、多くの『普通の小学生』の中学受験をサポートするための記事を書いています。
中学受験をするお子さんの中には、本当に天才的な頭脳を持っていたり、算数オリンピックに出場していたり、スーパーキッズなお子さんたちがいます。
そういったお子さんの活躍が、メディアやSNSでは目立ちますよね。
ですが、多くの中学受験生は『普通の小学生』です。
(学校の成績が良くても、公文式の進みが学年相応より多少早くても、だいたいのお子さんは『普通の小学生』です)
『普通の小学生』が志望校に合格しようと頑張って勉強しているし、そのご家族が懸命にサポートをしているのが中学受験です。
ボリュームゾーンとは?
「ボリュゾ」という言葉を見聞きする機会が増えてきました。
「ボリュゾ」とは「ボリュームゾーン」、つまり「人数の一番多いゾーン」のこと。
よって、中学受験の「ボリュゾ」とは、
中学受験の模試偏差値において
「ボリュームゾーン」(偏差値45~55あたり)にいるお子さんたち
を指す言葉です。
しかし「ボリュゾ」と言っても、模試によって偏差値が表す学力のレベルが違うので、
「ボリュゾ」と言われるお子さんの範囲も変わります。
例えば、サピックスが実施している模試の偏差値で考えると、
偏差値50あたりとされている中学校は、
学校名 | サピックス偏差値 |
---|---|
桐朋中 | 47 |
東京都市大付属中 | 49 |
芝中 | 50 |
香蘭女学校 | 47 |
鷗友学園女子中 | 52 |
などがあります。
同じ中学校を、首都圏模試センターが実施している模試の偏差値で見てみると、
学校名 | 首都圏模試センター偏差値 |
---|---|
桐朋中 | 67 |
東京都市大付属中 | 67 |
芝中 | 70 |
香蘭女学校 | 67 |
鷗友学園女子中 | 71 |
となります(!)。
びっくりな偏差値の違いですね・・・。
つまり、サピックス偏差値で「ボリュゾ」と言われるお子さんたちは、
首都圏模試センターの統一合判ではまったく「ボリュゾ」ではない!ということになります。
「ボリュゾ」の話をするときには、「どの模試のボリュゾか」を説明する必要がありそうですよね(^^;)
このブログでは、『普通の小学生』の中学受験を応援していますので、
「首都圏模試センターの統一合判」の偏差値にも言及して、「ボリュゾ」について考えたいと思います。
「首都圏模試センターの統一合判」の偏差値50あたりの学校はどこかというと、
千代田国際中(47)・工学院中(50)・東京電機大学中(53)・女子聖学院中(48)・大妻多摩中(52)・三輪田中(53)などなど
といった学校になります。
ちなみに、「首都圏模試センターの統一合判」の偏差値60あたりの学校は、
獨協(58)・日本学園(61)・桐蔭学園(61)・桐光学園(61)・晃華学園(60)・普連土(60)・日本女子大附(62)、などがあります。
(偏差値は、2024年入試予想偏差値から、2/1AMの数字です)
ボリュームゾーンについて、もう少し知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
『普通の小学生』が、ボリュームゾーンを超えていくために!
『普通の小学生』が、首都圏模試センターでの偏差値55以上、さらに60以上の中学校に合格する力をつけるために、
具体的にどのようなことに気をつけて勉強を進めていけばいいのでしょうか。
(もちろん、できればもっともっと実力をつけて偏差値を上げていくために…)
そんなこと言っても、中学受験は結局、子どもの地頭次第なんじゃ・・・
という親御さんの声がよく聞こえてきます。
もちろん、モキチクワは「地頭」について否定しません。
もともと考えることが好きな賢いお子さんもいますし、
考えることがあまり好きではないお子さんもいますよね。
比べてしまえば、
中学受験に向いていて、結果を出しやすいのは「もともと賢い、地頭のいいお子さん」です。
「中学受験」も受験なので、当たり前です。
でも、中学受験に必要なのは「地頭」だけではありません。
また、中学受験は地頭のいいお子さんたちだけのためのものではありません。
私立中学校を選択する意味も、偏差値や大学進学実績だけではありません。
お子さんの中高6年間をどんな環境で学ばせたいのか、学校のさまざまな面を知り、よく検討する必要があります。
偏差値は、その一つの要素です。
さまざまな私立中学がありますから、
中学受験はどんな学力レベルにあるお子さんも、チャレンジできるものです。
ただ、
『普通の小学生』が、全く訓練をせずにいきなり中学受験塾に通って高い成績を出す、というのはかなり無理がある。
ということが言えます。
中学受験の勉強内容がとても難しいものだからです。
そのまま続けていくと、
お子さん本人にも親御さんにも何の手ごたえもなく劣等感だけが募るような
中学受験になってしまうこともあります。
では、『普通の小学生』はどのように中学受験に挑めばいいのでしょうか。
『普通の小学生』ができる限り実力をつけて、その結果として偏差値を上げて、
「ボリュームゾーン」を超えていくために必要だと思うことを以下にまとめています。
参考にしてみてください。
『普通の小学生』の親御さんの頭の片隅に、すこしだけでも置いておいていただけたらと思います。
低学年から読書を身近に。4年生以上でも「音読」を大切に。
日本におけるどの受験でもそうですが、「日本語を読む」ことを避けては通れません。
「読書」と「国語読解」の関係については、多くの国語講師が様々な意見をお持ちだと思いますが、
モキチクワとしては、
読書量と読解の出来不出来は多いに関係がある!
と考えています。(ただ、「読書」だけをすれば「読解」ができるようになるわけではないのをお忘れなく)
国語読解の文章を読むこともそうですが、他の科目もすべて日本語で書いてあるわけです。
それも、かなりの文字数です。
それらにひるむことなく、ある程度のスピードでしっかりと読み、しかも内容も確実に理解するためには
「読書経験」が必要なことは確かだと思います。
『普通の小学生』であればなおさらです。
お子さんが小さいうちから本を身近に置いて、できればお子さん自身が興味を持って本を手に取るような状況を作るのがベストです。
気をつけていただきたいのは、「強制はしない」ということです。
本は、「読みなさい」と言われれば言われるほど、読みたくなくなるもの。
強制をし過ぎたために、「本嫌い」になってしまってはいけません。
お子さん自身が興味を持った内容の本を、楽しんで読める。
そんな状態になることが理想です。
お子さんの身近に「こども新聞」を置いておくのもよいです。なかなか自分で手に取らない場合は、寝る前にお布団の中で一緒に一つの記事を読んでみたり。
☆【読売KODOMO新聞】←毎週木曜日発行(月額550円)
週刊なので、どんなお子さんにとっても始めやすい「こども新聞」です。大人が読んでも勉強になります。
☆【朝日小学生新聞】←毎日発行(2,100円/月)
「読むことが大好き」「社会のニュースに興味がある」というお子さんには、こちらの小学生新聞がおすすめです。毎日届くので、どんどん読んで語彙力や読解力を鍛えていきましょう!
4年生以上で、中学受験塾へ通塾しているお子さんは、家庭学習では特に「音読」を重視するようにしてみてください。
国語の読解問題はもちろんですが、算数の文章題、社会や理科にいたるまで、問題の文章を音読してしまってよいです。
『普通の小学生』は「読む力」が不足している場合が多く見受けられます。
ただ「読む」だけではなく、内容を理解しながら「読む」ことが必要です。
読み飛ばしていたり、ただ字面をなぞっているだけの読み方になっている場合が多いのです。
「音読」を続けていくことで、本当の「読む力」をつけていきましょう。
「家庭学習の習慣」が大切。4年生以降は「学習スケジュール」を整える。
この「家庭学習の習慣」を低学年からつける、ということは、モキチクワが『普通の小学生』とそのご家庭にもっとも伝えたいことの一つです。
「家庭学習の習慣」という言葉はよく聞くと思いますが、
具体的に何をどうすることなのか、実際はわからない親御さんも多いと思います。
別の記事で詳しく説明していますので、お読みいただけたら幸いです。
簡単に説明すると、「家庭学習の習慣をつける」とは、
「できるだけ毎日」
「決まった内容の勉強を」
「コツコツと進める」
ということです。
なんだ、それだけ?と思われた方がいるかもしれません。
ですが、このことは実際にやってみると意外と難しいのがわかります。そして、お子さん一人ではなかなか実行することはできないはずです。
これができるようになると、成績も上がりやすくなります。
学習の内容は難しくなくて構いません。
お子さんの現在の学力レベルや理解力のレベルに合った内容がよいです。
大切なことは
「継続する力をつけること」
です。
中学受験塾に入塾する前に、この「家庭学習」を「継続する力」をつけておくようにするのがよいです。
中学受験塾に入塾すると、徐々に、確実に、難しいことを学習していきます。
そんな中で、毎日の勉強の学習スケジュールをこなすことができない状態だと、塾での学習内容をどんどん取りこぼしていくことになります。
特に算数は、積み重ねていく教科ですから
取りこぼしが重なっていくうちに、全然わからなくなって、授業にもついていけなくなってしまいます。
中学受験塾に入塾する前から「家庭学習の習慣」をつけて
中学受験の勉強をできるだけ取りこぼしなく進めることができるような状態にしておきましょう。
お子さんが4年生以上で、「すでに中学受験塾に通っているけど、なかなか「ボリュゾ」を超えていけない」というときは
一週間の「学習スケジュール」をきちんと実施することができているかどうか、確認しましょう。
定まっていない場合は、まずは家庭学習のスケジュールをしっかりと回すことに注力してみてください。
家庭学習については、こちらの記事も参考にしてみてください。
計算力は、入試本番まで鍛え続けよう。
中学受験のアドバイスをされている方や算数の先生方は、口をそろえて、「計算力が必要」とおっしゃいます。
モキチクワも、そう思います。
なぜ、計算力をつけておく必要があるか。それは、「計算でつまずいていると、学習内容の理解が追いつかないから」です。
算数ではほとんどすべての単元の問題で計算を使います。
その計算でつまずいていたら、その単元の重要な部分を理解するというレベルに達することができません。
計算ミスをしない、というのももちろん大切なことです。
そのためにも計算力を鍛えていく必要があります。
お子さんが低学年の場合の、計算力の鍛え方は大きく分けて3つ。
- 公文式に通って鍛える
- そろばん教室に通って鍛える
- おうちで鍛える(市販の計算教材を使用する)
お子さんが取り組みやすい方法を選んで、鍛えておくといいです。
4年生以上のお子さんは、毎日のすき間時間に「計算トレーニング」の時間を設けましょう。
「毎日やる」ということが大切です。
ご家庭ごとにスケジュールも計算力のレベルも異なると思いますので、
ご家庭の中で取り組みやすいタイミングで、お子さんのレベルにあった計算トレーニングからスタートしましょう。
漢字は、「やればできる」のがわかる学習です。
漢字学習も、学校での学習を中心に、しっかりとやっていてほしいと思います。
漢字を苦手とするお子さんも多いですが、「漢字学習」は「やればだいたい誰でもできる学習」です。
『普通の小学生』が「漢字ができない」「漢字を覚えられない」という場合は
「漢字をやりたくない」「漢字を覚えるのは面倒臭い」という気持ちが心の中で大きくなっている場合が多いのではないかと思います。
そういう場合の対策としては、
「一度に同じ漢字を何回も書くのをやめて、一回でOKにする」
ことをおすすめします。そしてできれば
「次の日やその次の次の日にもう一回書いてみる」
といいです。(嫌がるようであれば、とりあえず1度に1回書く、ことを続けてみましょう)
市販の漢字ドリルを使用する場合も、たくさん書くことでやる気をなくしてしまいがちです。
「今日は1回ずつ。明日はその下の段の1回。」
といった具合に分けて、少しずつ継続的に練習を進めてみてください。
「覚えればいい」としない。できるだけ具体的に理解することを意識しよう。
中学受験では、「覚えること」がたくさんあります。(中学受験だけではないですね…)
最近では「思考力」や「記述力」問う問題が増えてきているとはいえ、
思考したり記述したりするためにも「知識」は必要なので、やはり「覚えること」は避けられません。
でも、「ボリュームゾーンを超えていく」ためには
あれもこれも覚えればいい、という勉強の仕方を超えていなかなくてはなりません。
すべての科目において、
など、「ボリュームゾーン」を超えていくためには
「覚えること」よりももう一歩深く、踏み込んだ学習が必要になります。
『普通の小学生』であればなおさら、上記のような勉強の仕方・考え方を意識してほしいと思います。
それでも、スーパーキッズに向けて投げられたボールは簡単には打ち返せない、と思っておく。
でもやっぱり、お子さんそれぞれの学力や理解力の違いは存在します。
「中学受験」=「難関中学合格」というのは、単なる一つのイメージに過ぎません。
もちろん最難関中学に合格するお子さんはいますし、そんな合格がテレビやSNSなどでは目立つのが「中学受験」ですが
はっきりと申し上げると、そんな合格は本当に一握りです。
そして、中学受験塾のテキストやテストは、そんなひと握りのスーパーハイレベル層に向かって作られています。
(塾としては、彼らをがんがん鍛えて、最難関校に合格してもらわなければなりませんから、当然です)
『普通の小学生』が大手中学受験塾のテキストやテストで中学受験の勉強をする、というのは
例えて言えば、少年野球のバッターに高校野球のピッチャーがボールを投げるようなもの。
(大谷選手のボール…とまで言いませんが、中にはそんなボールもあるのかも)
『普通の小学生』には打ち返せないボールがたくさん混ざっています。
だから諦めなさい、と言いたいわけじゃありません!
では、『普通の小学生』はどうやって勉強していけばいいのでしょうか…
『普通の小学生』が最終的にそれらのスーパーボールを打ち返していく可能性を高めるには
スモールステップの練習を心がける
ということなのです。
小学生が、高校生の投げるボールでずっと練習していても、おそらく一向に打てる日は来ませんよね。
もしかしたらそんな日も来るかもしれないけれど、
練習の仕方としては、すごく乱暴です。これは、中学受験の「勉強」にも言えることです。
まずは、お子さんに合ったレベルのボールを打ち返す練習をする、ということが大切です。
「テストのこの問題ができなかった、点数が低い、偏差値が低い」というのは
「お子さんが勉強していない、地頭が悪い、中学受験に向いていない」ということではなく、
「お子さんにとってその問題はまだ解けない、今は理解できない、練習の仕方に工夫が必要」
と考えていただきたいのです。
もしかしたら、お子さんの理解力の成長が中学受験に間に合わない(つまり、志望校に合格するまでに達していない)という場合もあるでしょう。
でもそれは、決して「絶望」や「失敗」ではありません。
ただ成長の過程である、というだけです。
そこで、合格した私立中学に進学して学習を続けるか、公立中学校に進学してさらなる成長の先の高校受験を選択するか
それはご本人とご家族が状況によって選べばよいわけです。
以上、『普通の小学生』が「ボリュゾ」を超えていくためにできることや勉強に対する心構えをまとめました。
お子さんがすでに中学受験塾に通われていて、なかなか「ボリュームソーン」を超えられない…という場合は、こちらの記事も読んでみていただけたらと思います。
ご家庭のフォローだけではどうしてもうまくいかない、という場合は
「家庭教師」や「個別指導」を遅くなり過ぎないタイミングで頼った方がいいこともあります。
以下の記事を参考にしてみてください。
中学受験においては、家庭教師の選び方も難しいです。
こちらの記事で、「選び方のポイントとおすすめの家庭教師」をチェックしてみてください。
インスタグラムにおいても、よりわかりやすく『普通の小学生』の中学受験についての情報をお伝えしています。ぜひのぞいてみてください。
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