こんにちは!元中学受験塾講師のモキチクワです。
『普通の小学生』の中学受験を応援&サポートすべく、煽らない中学受験の情報を発信しています。
中学受験といえば、塾。というのが、まだ主流です。
「どこの塾がいいのか?」というテーマは、中学受験生を持つ親御さんの悩みの一つですよね。
中学受験て、どんな受験??
親御さんに知っておいていただきたことの一つは、
中学受験は特殊である
ということです。
どのように中学受験が「特殊」かというと、以下のようなことが言えます。
・高校受験や大学受験よりも、親の関わり具合がかなり大きい
・小学校では扱わないような、難易度の高い問題に取り組む必要がある
・塾などによってカリキュラムが決められていて、それに乗っかる形の勉強の仕方が主流
そういった「中学受験の特殊さ」から、中学受験をするために中学受験塾へ通うお子さんが多いです。
中学受験塾に通うとしても、塾にもそれぞれに特長があります。
どの中学受験塾を選ぶかによって、お子さんとご家庭の中学受験への道のりも変わる可能性があります。
「中学受験の塾選び」をする中で、ご家庭としてはお子さんにどんな中学受験をしてもらいたいのか、よく検討してみるといいのではないかと思います。
そこで、『普通の小学生』の中学受験を応援する元塾講師モキチクワが、中学受験塾の特長や塾選びのポイントをまとめました。
【中学受験の塾選び】の参考にしていただけたら幸いです。
どんな塾がある?塾の特長をタイプ別に紹介!
大まかにまとめると、中学受験の対策ができる塾は以下の4つの種類にわけることができます。
※基本的に、中学受験に関しては〈中学受験コース〉がある塾でないと対策ができないと考えてよいです。普通の進学塾や通常の個別指導塾では対策が難しいということになります。
大手塾
全国、また首都圏や関西など、広い地域に多くの校舎を展開している大手4大塾と言われる塾は以下の4つです。
首都圏にも関西から、希学園や浜学園(駿台・浜学園)が校舎を出しています。
関西を中心に展開している大手塾です。
日能研やサピックスも関西に校舎を出しています。
4大塾などには含まれていないものの、首都圏または関西を中心にいくつもの県にまたがって多くの校舎を展開している塾もあります。
市進学院・栄光ゼミナール・ena・能開センター・臨海セミナーなど
これらの「大手塾」の基本的な特長を、メリットとデメリットでまとめてみます。
・テキストやカリキュラム・テストがしっかりと確立されていて、いつ何を学習するかが決まっている。
・講師数が多く、質もある程度保たれている可能性が高い。
(絶対ではないので、実際に教えてくれる講師についてはできればチェックが必要です)
・成績優秀層が多く集まる可能性があるため、最難関校への合格実績が目立つ。
・規模が大きいので生徒数も多いため、良きライバルに出会える可能性が高まる。
・テストによるクラス昇降が頻繁に行われることで、お子さんの競争心に火がつき、勉強を頑張る動機になることがある。
・生徒一人ひとりに対するフォローは薄くなりがち。
・塾によってはテキストやカリキュラムの難易度や進度が速く、お子さんの学力次第ではついていけない可能性もある。
・テスト結果によるクラス昇降が頻繁にあり、お子さんが下位クラスに属する場合、不必要に劣等感を抱く場合がある。
・合格実績は良く見えるが、生徒の層に幅があるため、「大手塾に通えば必ず偏差値の高い中学に合格できる」とは限らない。
「大手塾」と一括りに言っても、それぞれの塾によって、授業の進め方やカリキュラム進度の速さ・難易度、テストのシステムなどに違いがあります。
それぞれの塾をよく比べてみてくださいね。
中規模塾
全国的に有名な大手塾ほどではないですが、地域ごとに校舎を展開している塾です。
その地域である程度の生徒を集めて、通学圏内の私立中学校への合格実績を出しています。
いくつかの中堅塾をあげてみます。
首都圏では
エルカミノ(東京)・茗渓塾(東京/千葉他)・こうゆうかん(埼玉)・グノーブル(東京他)・啓進塾(神奈川)・啓明館(神奈川)・ジーニアス(東京)・スクールFC(神奈川他)・創研学院(東京他)などなど
関西圏では
開成教育セミナー(大阪他)・KECゼミナール(奈良他)・進学館(兵庫他)・成基学園(京都他)・創学アカデミー(兵庫他)・第一ゼミパシード(大阪他)・創研学院(大阪他)・などなど
全国的に有名な塾ではありませんが、各地域に根差して生徒を集めて合格者を出し、校舎を展開していると言えます。
中規模塾の主な特長を、メリット・デメリットでまとめてみます。
・テキストやカリキュラム、テストシステムなどは独自のもの、あるいは予習シリーズ等を採用している場合が多く、しっかりと確立されていることがほとんど。
・カリキュラムの進度や難易度は塾によるので、確認が必要。
・大手塾ほどではないが、講師数や質が保たれている場合が多い。
(絶対ではないので、実際に教えてくれる講師についてはできればチェックが必要です)
・地域の中学校の入試に強い場合がある。
・大手塾に比べると、面倒見がよく、宿題や家庭学習のフォローまで対応してくれたり、大手塾ではやってくれないサービスを備えている場合もある。
(塾の方針によりますので、確認が必要です)
・生徒数は大手塾ほどではないので、お子さんによっては「競争」「切磋琢磨」という部分では物足りないかもしれない。
・規模は小さいが、受講料などは大手塾よりも安いというわけではない。
大手塾に比べると生徒数や校舎数は少ないですが、合格率が高い中堅塾もあります。
また、大手塾に比べると講師と生徒の距離が近く、親身に対応してくれることもあるかもしれませんね。
小規模塾・個人塾
1校舎、あるいは数校舎で中学受験に特化して教えている塾です。全国的にはあまり目立ちませんが、地域で結果を出して生徒さんを集めています。
大手塾で講師をしていた方が独立して立ち上げた塾の場合が多いです。
それぞれに独自の方針やカリキュラムを採用して、特色のある指導をしています。
アテナ進学ゼミ(文京区)・應修会(江戸川区)・おぎしん(杉並区)・学習塾グレイシャス(江東区)・シグマ進学教室(川崎市)・ 進学教室アントレ(練馬区他)・スタジオキャンパス(世田谷区他)・すばる進学セミナー(鎌倉市)・中学受験塾Act(横浜市他)・明利学舎(江戸川区)・陽光学院(川崎市)・RON進学塾(川崎市)などなど
↑モキチクワの勝手なチョイスで、首都圏のいくつかの小規模塾を挙げてみました。
小規模塾のメリット・注意点は以下のようなことが考えられます。
・生徒数が少ないため、お子さん一人ひとりの状況を講師が把握している場合が多い。
・大手塾のカリキュラム進度についていけないお子さんにも、独自のカリキュラムを展開して理解を深め成績を上げるような対策をしている場合もある。
・家庭学習にも踏み込んだフォローをしている場合もあり、ご家庭での負担が軽減される可能性もある。
・塾独自の方針やカリキュラムがある可能性が高いので、それがご家庭の方針と異なることがないかしっかりと確認しましょう。
・講師の数も限られているため、講師の人柄や相性などもよく確認すること。
・小規模だからといって、受講料その他が安価であるとは限らない。
・合格実績についても、ご家庭として納得できるものであることを確認する必要がある。
小規模塾は、それぞれの理想を掲げて塾運営をしているところがほとんどです。
ご家庭として、そこに賛同できるかどうかがポイントです。
大手塾でついていけなかったお子さんでも、小規模塾でしっかりと面倒を見てもらって理解できるようになり成績が上がることは少なくないと思います。
お子さん一人ひとりをしっかりとみるための手間も時間もかかるので、小規模塾と言えど費用はそれなりにかかると思っておいたほうがいいでしょう。
あとは、合格実績を確認することも大切です。
小規模塾なので、合格実績は集まる生徒によるところが大きく、毎年難関校に合格者を出すことはなかなか難しい場合もあります。
しかし、「力のある生徒をしっかりと難関校に合格させる」ことができるかどうかは、塾の指導力として大切だと思います。
上記にあげた以外にも、小規模塾は全国にたくさんありますので、ぜひお住まいの近くを探してみてください。
個別指導塾
個別指導塾は塾の中でも一番数が多いですが、どの個別指導塾でも中学受験に対応できるわけではありません。
先にも述べた通り、中学受験は特殊、です。
その個別指導塾に、中学受験指導の経験者や中学受験の経験者がいなければ、お子さんの中学受験を指導することは不可能です。
中学受験に対応できる個別指導塾は思うより少ない、というのがモキチクワの本音です。
通っている個別指導塾に、実は、お子さんの中学受験を主導できる人が誰もいない、ということもありえますので、注意深く塾選びをしましょう。
首都圏の「中学受験に対応できる」個別指導塾を、モキチクワがいくつか勝手にチョイスしてみました。
【中学受験専門、もしくはプロ講師が担当する可能性が高い個別指導塾】
中学受験専門のプロ個別指導教室【SS-1】(東京他)・TOMAS(東京他)・受験Dr. 個別指導塾(東京他)・個別教室のトライ(東京他)・名門会(東京他)・個別指導塾ココロミル(渋谷)・プロ個別指導Seed(横浜他)・LEFY(横浜)などなど
↑中学受験専門の個別指導塾は、プロ講師が1対1(もしくは1対2)で授業を担当するため、相場よりも受講料が高い場合が多いです。
【中学受験専門ではないが、中学受験の指導ができる可能性のある個別指導塾】
日能研ユリウス(東京他)・サピックスプリバード(東京他)・早稲田アカデミー個別進学館(東京他)・市進学院個太郎塾(千葉他)・テスティー(東京他)・臨海セミナー個別指導セレクト(神奈川他)・栄光の個別ビザビ(東京他)などなど
↑中学受験専門の個別指導塾ではないですが、中学受験塾の個別指導部門だったり、塾長が中学受験の経験者である場合は中学受験のノウハウがあり、対応できる可能性もあります。
講師は大学生の場合が多いです。
【その他の個別指導塾】
個別指導塾WAM・東京個別指導学院・関西個別指導学院・スクールIE・個別指導の明光義塾
・ITTO個別指導学院・代々木個別指導学院・個別指導学院フリーステップ・などなどなど
↑上記のような個別指導塾は、基本的に大学生講師が授業を担当することが多いです。また教室長なども講師経験や中学受験の指導経験があるとは限りません。
中学受験を経験している優秀な大学生講師や社会人講師が在籍していることはあり得ますので
通塾をお考えの場合は、実際に詳細を問い合わせて、中学受験指導やフォローの可否・合格実績などを確認してみましょう。
中学受験塾を選ぶときの、5つのポイント
ポイント①子どもの性格
お子さんはそれぞれに性格が違います。身につきやすい勉強のスタイルも実は違ったりします。
マイペースに勉強するのが合っているお子さんには、テストやクラス昇降が頻繁な大手塾での勉強は辛いものとなるでしょうし
逆に、お友達とのライバル関係や競争心が励みになるようなお子さんもいます。
お子さんの性格に適した勉強のスタイルを考えてみるとよいと思います。
ポイント②子どもの学力
お子さんの学力を現実的に把握することも大切です。
学校のテストではどのくらいの点数を取れていますか?
模試などを受けてみたことはありますか?
公文やそろばんの進みが早くても、サピックスなどの進度の早いカリキュラムや難易度の高い問題に対応できる能力があるということにはなりません。
お子さんにとって難しすぎる授業は、受け続けていても勉強していることにならない場合もありますので、注意が必要です。
ポイント③ご家庭のサポート力
ご家庭でどのくらいお子さんのサポートができるか、ということも大切なポイントです。
一般的に、面倒見の良さを比べると、
個別指導塾>小規模塾>中規模塾>大手塾
という順番になります。
当然ですが、面倒見の良い塾ではそれだけご家庭のでフォローの負担は減りますし、
授業以外でのフォローのない塾であれば、ご家庭ですべてをフォローしていく必要があります。
しかし、それぞれの塾の理念や指導スタイルによっても違いがありますので、
通塾を検討している塾ではどのようなことをやってもらえるのか、
ご家庭ではどのようなことをする必要があるのかを
しっかりと確認しておきましょう。
ポイント⑤通いやすさ
皆さんはおわかりだと思いますが、小学生は一般の方が思う以上に時間がありません。
高学年になると小学校から帰宅する時間は16時近くになることがほとんどではないでしょうか。
最近では、塾から帰ってきても、宿題を終わらせるために深夜まで勉強している、などという話を聞くことも増えてきました。
しかし、小学生にとって睡眠時間を削ることが本当に良いことなのか、親御さんがそれぞれに考える必要があるとモキチクワは思います。
そんな時間のない小学生ですから、塾が「通いやすい」場所にあることは大切なポイントです。
通塾に余計な時間がかからなければ、その分の時間を休息や宿題などに使うこともできます。
ポイント④合格実績
志望校が決まっている場合は、通塾を検討している塾の合格実績の中に
志望校あるいは志望校と同程度の偏差値の学校の名前があるかどうかを確認しておきましょう。
また、志望校が決まっていない場合も、合格実績の中の一番偏差値の高い学校と低めの学校を確認しておくとよいと思います。
大手塾では生徒数が多いので、合格実績には様々な学校の名前があがりますが
中規模塾や小規模塾、個別指導塾では集まる生徒によって年度ごとに合格実績も異なる場合があります。
何年か分の合格実績を確認することをおすすめします。
中学受験塾を選ぶときに、知っておいてほしいこと。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。
「中学受験塾」といっても、いろいろな塾があって、選ぶ際にも考えるべきポイントがいろいろあります。
【中学受験の塾選び】では、お子さんを本当に主導できる塾を選んでいただきたいと思います。
また、どの塾を選ぶにしても、「勉強するのはお子さん自身」です。
塾によってシステムやスタイルは異なるものの、お子さん自身が勉強にしっかりと向き合うことができなければ成績も上がらないし
希望の中学校への合格に近づくこともできません。
そのことを忘れずに、「中学受験の塾選び」をしていただけたらと思います。
【家庭教師】という選択肢もある
成績が上がらないもしくは下がってきているけれど、フォローのない大手塾に通い続けたい場合は、
家庭教師の力が必要になる場合も多々あると思います。
単発的に利用したり、志望校対策だけに利用したり、共働きのお忙しいご家庭の学習フォローを依頼したり。
ご家庭の状況次第で、必要に応じて上手に利用していきたいのが家庭教師です。
そんな家庭教師も、中学受験では選ぶのが難しいのが現実です。
↑家庭教師をお考えの場合は、上記の記事を参考にしてみていただけたらと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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