「中学受験て、大変ですよね?」と聞かれたら、
はい。もちろんです。
としか答えられない、元中学受験塾講師のモキチクワです。
都内の中学受験塾で講師をしたのち、今は3児の子育てをしつつ、中学受験に関する「煽らない」情報発信をしています。
このブログでは、SNSなどで目に飛び込んでくる高偏差値のスーパーキッズたちでなく、
わが家にもいる、『普通の小学生』の中学受験と、その伴走をする親御さんたちを応援しています。
皆さんもうすうす気づいているように、
中学受験塾の学習カリキュラムやその勉強内容は、
『普通の小学生』がこなせるとは思えないほどのスピードや量になっています。
しかも、定期的に短い間隔でやってくるカリキュラムテストや公開模試で、
親御さんはいやというほどお子さんの成績や偏差値を見せつけられるわけです。
成績が良ければいいですが、悪かった場合の親御さんのメンタルはといえば、動揺するなというのが無理な話です。
(しかも、自分のことではないので、よし!次は頑張るぞ!とかそんな単純なものでもないわけです)
親御さんの頭の中には、
家庭教師や個別指導が必要なのかな…?
という言葉がチラチラと浮かぶことも少なくないでしょう。
お子さんが、現状はどこまでは理解できていて、さらに力を伸ばしていくためには何をしたらよいか、
どのような点に注意をして学習をすすめていくのがよいのか、わからなくて不安になるのは当然です。
プロの講師ではない親御さんにとっては、的確に判断するのは難しいですよね。
講師でも、経験を積まないとできないことです。
通っている塾の先生に気軽に相談できて、対応もしてくれるのであれば問題はありませんが、なかなかそうはいかないことも多いでしょう。
でも、ただでさえ塾に高い授業料を払っているのに、さらに家庭教師や個別指導にお金を使うとなると、簡単には決断できません。
気づいたらかなり時間が経ってしまっていた、ということもあり得ます。
この記事では、どんなときに家庭教師や個別指導の利用を検討したらいいのか、またどのように利用したらいいのかをまとめています。参考にしていただけたらうれしいです。
中学受験で、家庭教師や個別指導を利用した方がいいのは、いつ?どんなとき?
それではさっそく、家庭教師や個別指導の利用を検討したほうがいい場合について、説明をしていきたいと思います。
大手塾に通っていて、成績が振るわない
「成績が振るわない」の程度がどのくらいか…というのが難しい判断ですが、
「お子さんも親御さんも困っている」という状態であれば、家庭教師や個別指導を利用するのは正しい判断だと思います。
もちろん、大手塾に通っていても、先生に質問や相談をしっかりとできる状況であれば、家庭教師や個別指導は必要ない場合も多いです。
その場合は、今のお子さんの問題点はどんなところで、どのように対策をしていくべきか、
先生に時間を取ってもらいしっかりと聞き、ご家庭で実践できることをまずやってみましょう。
それでもお子さんの状況が改善されず、ご家庭でのフォローもうまくいかないと判断された場合は、家庭教師や個別指導の利用を検討してみてもいいと思います。
親御さんが忙しくて、お子さんをフォローできない
このブログ内では何度も言及していますが、中学受験では親御さんの関わりが不可欠です。
「9割」とまでは言いませんが、「5割」くらいは関わるつもりでのサポートが必要になります。
(「勉強は任せてください」という中学受験塾もありますが、親御さんが完全に手を放すのはやめたほうがいいと思います)
しかし、親御さんも忙しいのは当たり前。ご両親共働きのご家庭も多いと思います。
毎回毎回お子さんの塾での学習内容を把握して、理解できていないところをチェックして、復習させて…というサイクルをご家庭でまわすのが難しいこともあるでしょう。
それでも、中学受験塾での勉強をスタートさせたら、できれば少なくとも週に1回は「学習内容をチェック→一緒に復習」という時間を設けることが必要であると個人的には考えています。
ご両親が共働きをされているご家庭でも、週末のお休みの時間を少し使って、ご一緒に取り組んでいただくのがよいと思います。
それくらいに、中学受験塾での学習内容は『普通の小学生』にとっては難しく、
お子さん一人でやり切れるものではない、ということです。
その「週に一度の時間を作ること」が難しい、ということであれば、家庭教師や個別指導を利用することを検討してよいと思います。
親御さんが、中学受験の学習内容を教えることができない
親御さんが、勉強内容に関して「全く」指導できない場合も、家庭教師や個別指導を利用した方がいいかもしれません。
とはいっても、親御さんに塾の先生のような指導を求めているわけではありません。
必要なのは、一緒に考えてあげたり、覚える方法を一緒に考えてあげたり、解説を読んで説明をしてあげたりすること。そういう取り組みが『普通の小学生』の中学受験においては必要不可欠です。
それらが「全く」できない、と親御さん自身が判断された場合は、家庭教師や個別指導を利用することを検討してみるとよいと思います。
ご家庭で志望校対策ができない
6年生の秋以降は、たいだいの中学受験生が志望校の過去問に取り組み始めます。
最難関・難関中学であれば、塾で対策講座が設けられている場合もありますが、すべての中学校の志望校対策を大手集団塾が授業でやってくれることは、まずありません。
中小規模塾や個人塾においても、生徒全員の志望校対策を授業で行うのは難しいでしょう。
また、たとえ対策講座があったとしても、ご家庭で「何年か分の志望校の過去問を、時間を計って解く」ということは、どの中学を志望するとしても必要になります。(もちろん、間違い直しも含めて)
平日は塾の授業がありますから、過去問に取り組むのは基本的に予定のない土曜日や日曜日になることが多いはずです。
もしくは、1科目ずつ隙間時間に取り組む、というやり方もあります。
中学校によって出題形式や傾向は異なりますので、親御さんが調べて、お子さんの苦手単元があればその対応もする必要があります。
もちろん、親御さんが問題を一緒に解く必要はありません。頑張って解くのはお子さんです。
ですが少なくとも上記のようなフォローは必要です。
そして、わからない問題があれば、親御さんが解説を読んで説明をする。
もしくは通っている塾の先生をしっかりと頼ることが第一です。
親御さんが対応できない、塾の先生に頼ることができない、質問できる機会が少ない、もしくはうまくはかどらないなどの場合は、家庭教師や個別指導の利用を検討してみましょう。
明らかに苦手な科目がある
中学受験では多くの場合、4科目【国語・算数・理科・社会】の勉強をします(関西では受験校によって3科目の場合もあり)。
その中で、他の科目と比べて明らかに苦手な科目(お子さんがよくわかっていない科目)があり、
それが全体の成績の足を大きく引っ張っている場合は、家庭教師や個別指導を検討してもいいと思います。
「算数」もしくは「国語」が苦手、というお子さんが多いかもしれません。
その場合は、気づいた時点でできるだけ早めに、プロの講師に相談することをおすすめします。
もちろん塾に通っているならまずは塾の先生に相談しましょう。塾の方から面談などで話題にあげられる可能性もあるはずです。
塾やご家庭で対策をしてみても成果がなかなか表れないときは、早めに家庭教師や個別指導を検討するべきだと思います。
お子さんがどのあたりでつまずいているのかを、マンツーマンの指導で判断してもらう必要があるからです。
家庭教師や個別指導を利用するときの注意点
中学受験において「家庭教師を利用したほうがいいのか?」と考える場面は、このように意外と多くあります。
家庭教師や個別指導の会社は数多くありますが、
ここで「中学受験において家庭教師や個別指導を利用するときの注意点」をいくつかあげておきます。
☆中学受験指導経験があるか、中学受験を経験している講師を選ぶ (特に大学生の先生にお願いする場合は、ご自身が中学受験を経験していることが必須です) ☆質問に対して、どれだけ、どのように対応してもらえるかを確認する (例えば中学受験塾の宿題フォローができるか、志望校対策はどのように進めるのか、など) ☆塾と同じで、預けっぱなしは禁物。授業では何をやっているか、必ず都度確認をする
家庭教師や個別指導も、中学受験塾に通うのと同じで、
長く続けていくうちになんとなくダラダラとやってしまう、ということはもちろんあり得ることです。
家庭教師や個別指導は、高い指導料を支払うことになります。
何よりもお子さんのために、管理者や講師としっかりとコミュニケーションを取りながら進めていくようにしてほしいと思います。
☆中学受験の家庭教師は選び方も難しいはずです。以下の記事をお読みいただき、選び方のポイントを参考にしてみてください。
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